1月11日、安倍晋三内閣総理大臣が理化学研究所の計算科学研究機構および発生・再生科学総合研究センター(CDB)を視察した。理研CDBでは竹市雅俊センター長が研究概要を紹介するとともに、発生生物学などの基礎研究が現在の再生医療や創薬といった応用研究の基盤になっていることを説明した。続いて、京都大学の山中伸弥所長(iPS細胞研究所)が、同研究所における取り組みやiPS細胞を用いた新薬開発の可能性などについて説明した。
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ES細胞、iPS細胞などの実物を観察しながら説明を受ける安倍総理(左)。中央左から、山中伸弥京都大学iPS細胞研究所長、野依良治理化学研究所理事長、笹井芳樹理研CDBグループディレクター。 |
続いて安倍総理は、笹井芳樹グループディレクター(器官発生研究グループ)から試験管内組織形成の研究について説明を受け、ES細胞から作製した眼杯を観察した。さらに、高橋政代プロジェクトリーダー(網膜再生医療研究開発プロジェクト)から、iPS細胞を用いた臨床研究の計画について説明を受け、移植に用いる予定の網膜色素上皮シートを観察した。安倍総理は、iPS細胞の医学応用における海外と日本の状況などについて研究者と意見を交わした。その後、野依良治理化学研究所理事長が進行を務める懇談の中で、安倍総理は再生医療の分野を今後一層支援することを表明し、同時に国民や世界の人々の健康を守る研究成果に期待する旨述べた。
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