マウスはヒトを含む哺乳類の発生や代謝のメカニズムを研究するうえで重要なモデル生物です。近年、マウスのゲノム情報が解読され、遺伝子ノックアウトなどの技術を用いた遺伝子機能解析や疾患研究が盛んに行われています。CDBとライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)が共同で運用する動物飼育施設では、内外の研究者の要望に応じてトランスジェニックマウスやノックアウトマウスを作製するなど幅広い技術提供を行っています(詳細はこちら)。また、既存の技術の利用だけでなく、新たな生殖工学技術の開発(CLST生体モデル開発ユニット)や、細胞内オルガネラを蛍光標識したマウスの開発(CLST生体ゲノム工学研究チーム)等も独自に行っています。
この動物飼育施設では、高度な技術と設備により大規模で効率的な飼育を可能にし、最大約100,000匹のマウスを取り扱うことができます。SPF(Specific pathogen-free:特定の病原体が存在しない)対応のこの施設では、高い衛生環境を保ちマウス間での感染を防ぐためにも飼育の半自動化が進められています。
また、CDBとCLSTでは霊長類飼育施設も備えています。マーモセットやカニクイザルなどを飼育し、薬物の体内動態を追跡する手法の開発や、再生医療分野における前臨床研究に使用されています。