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理研CDBでは3月27~29日の3日間にわたり、毎年恒例となるCDBシンポジウムを開催した。今年で15回目を迎える本イベントの、今回のテーマは‘Towards Understanding Human Development, Heredity, and Evolution’。世界14の国と地域から計172名の研究者が一堂に会し、熱い議論を交わした。
生物学研究者にとって、私たち自身である「ヒト」の発生や進化の謎に迫ることは、根源的な欲求の一つであると言えるだろう。これまで種々のモデル生物を用いた研究が精力的に進められてきたが、ヒトをはじめとする霊長類とは異なる点も多く、理解は遅れていた。しかし近年、幹細胞培養、ライブイメージング、ゲノム編集、1細胞解析、次世代シークエンスなどの技術が飛躍的に発達したことで、ヒトを対象とした研究も着実に進みつつある。そこで今回は「ヒトおよび霊長類」に焦点を当て、他の生物と比較することで見えてくる特有の発生・遺伝・進化のメカニズムを理解し、また種々の疾患の原因究明につなげることを目指した。当日は、(1)生殖細胞分化と初期発生、(2)エピジェネティクスとクロマチン構造の制御、(3)ヒト多能性幹細胞を用いた組織・器官形成と疾患モデル、(4)ヒトの遺伝学と進化などのトピックスを中心に、3日間で口頭発表30演題、ポスター発表56演題が発表された。
今回のシンポジウムは京都大学iPS細胞研究所の川口義弥教授、京都大学医学部の斎藤通紀教授、キュリー研究所のEdith Heard氏、理研CDBの永樂元次チームリーダー(立体組織形成研究チーム)、北島智也チームリーダー(染色体分配研究チーム)、松崎文雄チームリーダー(非対称細胞分裂研究チーム)、辻 孝チームリーダー(器官誘導研究チーム)の7名がオーガナイザーを務めた。
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