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理研CDBの髙橋政代プロジェクトリーダー(網膜再生医療研究開発プロジェクト)は3月28日、神戸市医療センター中央市民病院の栗本康夫眼科部長と共に会見を開き、同日、他家iPS細胞を用いた滲出型加齢黄斑変性の臨床研究の1症例目の移植手術を実施したことを報告した。被験者は60代男性。京都大学iPS細胞研究所(CiRA)が提供する再生医療用iPS細胞をもとに作製した網膜色素上皮細胞(RPE細胞)を含む液(細胞懸濁液)を、右眼の網膜下腔に移植した。手術は執刀医の栗本眼科部長を含む計6名のチームで実施。約1時間で予定通り終了したという。
本臨床研究では、HLA(免疫のタイプ)を合わせた他家iPS細胞を用いることが最大の特徴。自家細胞の課題だった細胞製造にかかるコストと時間を大幅に削減できる。また、他人由来の細胞では免疫拒絶が懸念されるが、HLAを合わせて用いることで、免疫応答を抑えて安全に移植できるのではないかと期待される。手術を終えて、栗本眼科部長は「手術が順調に運んで安心している。新たな医療を社会に普及させられるかの第一歩であり、今後も気を引き締めて取り組んでいきたい」と語った。今後は2例目以降の被験者を順次リクルートし、2年以内に計5例の移植実施を目指す。
関連リンク |
「滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植に関する臨床研究」の1例目の移植手術の実施について |
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