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高校生物教員を対象とした研修会「高校教職員のための発生生物学実践講座」が10月2日開催された。理研CDBは2008年より、日本発生生物学会と共同で教職員向けの2日間の講座「発生生物学リカレント講座」を毎年開催してきたが、今年度からは新たに兵庫県高等学校教育研究会生物部会を共同主催者に迎え、講座名およびプログラム内容をリニューアル。各校での実践をより強力に支援する1日の講座として、再出発を切った。新シリーズ第1回目となる今回は、関西圏を中心に全国7府県から計28名(実習参加者18名、見学者10名)の教員が参加した。
実習の様子
ショウジョウバエは生物学研究における主要なモデル生物のひとつで、発生学および遺伝学研究の発展に大きく貢献してきた。また、最近の高校生物の教科書でも形態形成を司る遺伝子発現の例としてショウジョウバエが取り扱われるなど、教育現場でも避けては通れない題材となっている。そこで今回の講座では、ショウジョウバエを用いた遺伝学研究を実体験するプログラムを考案。「生まれと育ち、どちらが大事?~遺伝子と環境因子が形質発現に与える影響~」と題し、遺伝学研究の代表選手である伴性遺伝(白眼変異体の観察)と、近年話題のトピックスであるエピジェネティクス(斑眼変異体の観察)に関する実習課題に取り組んだ。プログラムの監修および講師は理研CDBの林茂生チームリーダー(形態形成シグナル研究チーム)が務めた。
さらに、今回の講座では新たな試みとして、昨今の教育現場で最重要キーワードとなっている「アクティブ・ラーニング」の実践にも取り組んだ。アクティブ・ラーニングの手法のひとつ「ジグソー法」を用い、グループワークを通じで考察を深めた。また、各高校での実践・教材化への足がかりとなるよう、「伝えること」を意識したデータの共有やディスカッションを行った。
12月には本講座の実践編として、本講座の参加者で兵庫県高等学校教育研究会生物部会所属の教員が主体となって、高校生に同様の実験を指導する「高校生のための発生生物学実習講座」も予定されている。
グループワークの様子
集合写真
関連リンク | 日本発生生物学会(JSDB) |
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