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理研CDBの高橋政代プロジェクトリーダー(網膜再生医療研究開発プロジェクト)が、米Gladstone Institutesから第1回のOgawa-Yamanaka Stem Cell Prizeを受賞することが決まった。世界で初めてiPS細胞を臨床に応用し、この分野の先駆的役割を果たしたことが受賞理由となった。高橋リーダーは、先端医療振興財団および神戸市立中央市民病院と連携し、滲出型加齢黄斑変性を対象にiPS細胞を用いた臨床研究を進め、昨年9月に第一症例目の移植を行なった。高橋リーダーは9日、「栄えある第1回目の受賞者となることを大変うれしく光栄に思っております。成功の確信を持って臨んだiPS細胞初の臨床応用ですが、その結果だけでも十分な満足を得ています。その上にいただいた過分なこの喜びは、プロジェクトを応援してくれた多くの方々と分かち合いたいと思います」とコメントした。
高橋政代プロジェクトリーダー
同賞は、米の実業家で生物医学分野の研究を支援してきたHiro Ogawa氏からの寄附によって設立され、iPS細胞の開発で2012年ノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大学教授・Gladstone Institutes Senior Investigatorの功績を記念したもの。細胞リプログラミングの技術を発展させ、再生医療の進展に寄与した研究者に授与される。
山中伸弥教授は今回の授与について、「iPS細胞の発見からたった8年でヒトへの応用に辿り着いたことを非常に嬉しく思っています」とコメントしている*。また、Boston Children’s Hospital Stem Cell Transplantation ProgramのGeorge Daley教授は、「様々な制約や困難を乗り越えてヒトへの初の応用を実現し、私たち全ての幹細胞研究者に道を開き、iPS細胞の可能性を認識させた」と評した*。Gladstone Institutesは、初の臨床応用として適切な慎重さをもってこの臨床研究を進めていることも評価している。
授与式は9月16日にGladstone Institutesで行なわれる予定で、記念講演はインターネットでもライブ中継される。
*コメントはGladstone Institutesのプレスリリースより引用。
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