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WangチームリーダーらがHFSPに採択

2015年05月07日
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Yu-Chiun Wangチームリーダー(上皮形態形成研究チーム)らによる研究プロジェクトが、国際的に名高いHuman Frontier Science Program (HFSP)のYoung Investigators Grantsに採択された。研究テーマは「Adaptive function and evolutionary capacity for a transitory epithelial structure(一時的な上皮構造の適応的機能と進化的可能性)」。このプログラムはフランスに本部を置くHFSP organizationが、分野横断的で国際的な最先端の研究を支援するために毎年採択している。共同で研究するのは、計算科学を専門とする米University of MarylandのZia Khan氏と、進化発生学を専門とする独University of HeidelbergのSteffen Lemke氏。

  1. 左から理研CDBのYu-Chiun Wangチームリーダー、University of MarylandのZia Khan氏、
    University of HeidelbergのSteffen Lemke氏

研究プロジェクトでは、ショウジョウバエの発生初期に一時的に生じる「頭横溝(cephalic furrow)」と呼ばれる構造の機能と進化的背景を探る。頭横溝は原腸形成期に上皮の一部が筋状に陥入してつくられる溝で、頭部と胴部の境界に位置する。ところが、発生の進行と共に消失し、組織や器官に寄与しないことから、その機能は未だ謎に包まれている。また、興味深い事に、頭横溝は双翅目が比較的最近獲得した構造らしく、ハエも種によって頭横溝を持つものと持たないものがいる。

  1. ショウジョウバエの初期胚で頭部と胴部の境界に生じる頭横溝(中央左寄りの陥入)。

Wangチームリーダーは、「ショウジョウバエの初期発生を研究する人なら誰でも頭横溝を知っています。ところが、その形成メカニズムと機能についてはまだ誰も知らないのです」と話す。研究プロジェクトでは、WangチームリーダーとLemke氏が主にイメージング技術を駆使した解析を行い、Khan氏は数理科学の立場からデータの定量解析やゲノムの比較解析をサポートする。頭横溝の形成メカニズム、発生における機能、そして頭横溝をもたらした発生プログラムの変化を明らかにすることを目指す。

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