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理研CDBは、12月25日、26日の2日間にわたり「高校生のための発生生物学実習講座」を開催した。本講座は日本発生生物学会、兵庫県高等学校教育研究会生物部会との共催で、高校生が発生生物学研究を体験する機会を提供するとともに、「高校生物教職員のための発生生物学リカレント講座」(*科学ニュース:2015.10.9)に参加した高校教員をティーチングアシスタントとして迎え、各校での実践への橋渡しをすることを目的としている。兵庫県内の7つの高校から高校生21名と教員8名が参加。当日の実習講師は首都大学東京の福田公子准教授、レクチャー講師を理研CDBの梅津大輝研究員(組織形成ダイナミクス研究チーム、倉永英里奈チームリーダー)が務め、企画・運営には兵庫県立須磨東高校の薄井芳奈教諭にご協力いただいた。
今回は、本講座として初の試みである「課題研究型」の実習プログラムとし、生徒自らが研究課題を設定し実験的に証明するという研究プロセスを体験した。初日は、まずはニワトリの初期胚を詳細に観察。4~5人のグループに分かれ、孵卵1.5~3日の胚を比較して発生の早い順に並べ、その根拠を示すという課題に挑戦した。また、発生の進んだ8日胚を解剖し、卵の中で起こるダイナミックな変化を体感した。次に、これらの詳細な観察を通して生じた疑問を、グループごとに研究課題として設定。「体節はどうして対が同時に形成されるのか?」「心臓はどの部分が拡大して成長するのか?」などのテーマを設定し、それらを実証するための実験を組み立てて実施した。
翌日は、前日の実験結果を観察。グループごとに研究成果をまとめて発表した。研究発表では多くの質問が飛び交い、活発に議論がなされた。また、2日目の朝には、理研CDBの梅津研究員が「生き物のかたちづくりと力」と題してレクチャーを行った。研究者を志すに至った経緯などを紹介するとともに、異なる細胞集団が接する境界が維持される仕組みに関する自身の研究を披露した。
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