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理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターは、9月に運営体制を見直したのに続き、11月21日付けでセンター名を「多細胞システム形成研究センター」に改称し、研究体制を新たにスタートした。理研が実施する「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」の一環。
研究体制も大幅に見直し、より研究目標を明確にした4つのプログラム、「細胞環境応答プログラム」、「器官創成研究プログラム」、「幹細胞臓器再生研究プ ログラム」、「発生・数理科学研究プログラム」を設置した。これらのプログラムと2つの特別主幹研究員研究室が、胚発生の基本原理や器官のような多細胞構造がつくられるメカニズムの解明に挑み、それらの知見を応用した試験管内器官形成技術の確立にも取り組む。また、力学モデルや統計学的モデルを導入し、多細胞集団における複雑な細胞間相互作用や形態変化を数理科学的に捉え、複雑系の原理解明を目指す。さらには、これらの基礎研究で得られた成果を疾病の原因 究明に応用すると共に、「研究開発プロジェクト」を設け、新たな医療技術の創出に貢献する。特に、関係機関と連携しながら網膜疾患の再生医療研究を進める。
この組織再編に伴い、変異マウス開発や電子顕微鏡解析、バイオイメージング、遺伝子解析などの分野で高度な技術を有する研究室は、ライフサイエンス技術基 盤研究センター(CLST)に移籍し、より広くこれらの技術提供を行う。また、生命現象の数理解析やモデル構築を専門にする研究室は、同様の分野に専門性の高い生命システム研究センター(QBiC)に移籍し、より緊密な研究交流を図る。多細胞システム形成研究センターは、これらのセンターや理研内外の研究者との連携をさらに深め、生命の成り立ちの解明と、医学応用に挑んでいく。