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夏の恒例イベント「高校生のための生命科学体験講座」が、8月5日、28日の2日間にわたり開催された。
今年で8回目を迎える本講座は、研究者によるレクチャー、研究室見学、体験実習で構成される充実の1日プログラムだ。
今年のテーマは、昨年に引き続き「発生と細胞分化」。私たちの体を構成する様々な細胞がどのように生み出され、機能しているかを、レクチャーや実験を通して学んだ。午前中は、松崎文雄グループディレクター(非対称細胞分裂研究グループ)によるレクチャーと研究室見学を行った。レクチャーでは、体を構成する細胞が専門化していく基本的な仕組みなどをわかりやすく解説。さらに、線虫を用いた研究を例に、細胞分裂の際にどのような分子が働くかや、非対称細胞分裂によって異なる種類の細胞が生み出されるメカニズムを、動画などを使って紹介した。その後、研究室では実験に用いているショウジョウバエやマウスを観察し、研究者が実際に実験している様子を見学した。
午後の実習では、脳・肝臓・骨格筋より抽出したタンパク質をSDS-PAGE法を用いて解析する手法を体験。ニワトリの初期胚から摘出した各組織からタンパク質を抽出し、電気泳動で分画したのち、分子量を概算してそれぞれの組織に含まれるタンパク質を推定した。また、ニワトリの胚発生や、モデル生物としての有用性についても学んだ。いかにも「研究者らしい」実験器具の操作や、壊れやすいゲルの取り扱いに苦心しつつも、染色してきれいなバンドパターンが浮かんでくると、方々から歓声が上がっていた。