毎年恒例となった「高校教職員のための発生生物学リカレント講座」が、2012年10月6〜7日に開催された。理研CDBと日本発生生物学会が共催するイベントで、京都産業大学の八杉貞雄教授がオーガナイザーを務め、関西各地から約20名の生物教員が参加した。1日目の午前には理研CDBの丹羽仁史プロジェクトリーダー(多能性幹細胞研究プロジェクト)が、「細胞の個性を決める転写因子の機能」と題して、ES細胞を主な例に細胞分化における遺伝子発現の制御機構について講演した。
1日目の午後と2日目は京都産業大学の石井泰雄助教を講師に迎えて実習を行い、ニワトリ胚の培養・観察法を学ぶとともに、胚からの初代細胞培養を行って臓器ごとに多様な細胞が分化している様子を観察した。また、アポトーシスを検出する染色実験を行い、発生過程におけるプログラム細胞死について学んだ。これらの実習に加え、須磨東高等学校の薄井芳奈教諭が、ウズラ胚を用いた学校での実習実践例をデモンストレーションした。参加した教員からは、「実習が充実していて良かった。学校の授業や実習に活かせる内容も多いので、研修で学んだことを学校に持ち帰って実践したい。」といった声が聞かれた。
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