2011年10月1、2日に理研CDBと日本発生生物学会との共催による、「高校生物教職員のための発生生物学リカレント講座」が開催され、24名の教員が参加した。今年で4回目となるこの講座は、高校における生物教育を支援することを目的に毎年秋に開催されている。今回のプログラムは昨年同様にニワトリの発生をテーマとして、八杉貞雄講師(京都産業大学教授)によるレクチャーと、石井泰雄講師(京都産業大学助教)による2日間の実習が行われた。
レクチャーでは、ニワトリ胚を用いた発生研究の紹介から、細胞分化の分子生物学的機構まで、わかりやすく概説された。実習では、ニワトリ初期胚の摘出・培養・観察までの一連の手技を学んだ。さらに成長した胚を用いて、指を形成するために必須なアポトーシスの観察、および骨格を観察するために有効な透明標本の作製にも挑戦した。また、薄井芳奈講師(兵庫県立須磨東高校教諭)により、ニワトリ初期胚の培養を応用した高校での実習例が紹介された。参加者からは「興味を持った人たちが集まっていい雰囲気で実習できました。この感動・驚きを生徒に伝えたい。身近な高校の先生も講師できてくれて色々なアイディアを教えてもらえて良かったです」との声が聞かれた。
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