理研CDBの上田泰己プロジェクトリーダー(システムバイオロジー研究プロジェクト)が第23回「日本IBM科学賞」(日本アイ・ビー・エム株式会社、江崎玲於奈審査委員長)を受賞した。同賞は、日本の基礎科学研究の振興と優れた若手研究者の育成に寄与することを目的とし、1987年に創設された。物理、化学、コンピューター・サイエンス、エレクトロニクスの分野で活躍する国内の大学あるいは公的研究機関の研究者から選定される。
上田泰己氏は、「大容量生命情報解析に根ざしたシステム生物学の開拓」の業績で、コンピューター・サイエンス分野での受賞となった。ゲノム情報や遺伝子発現情報等の大量情報を元に、生命現象をシステムとして理解し、さらには制御、再構成しようとするのがシステム生物学だ。この新たな学問分野において哺乳類の体内時計を解析対象とし、具体的な研究モデルを確立したことが受賞理由となった。真夜中の光によって体内時計が停止してしまうシンギュラリティー現象や、体内時計が温度変化に関係なく一定の周期を刻む温度補償性といった長年の謎を、システム理論的に解明したことも評価された。
授賞式は11月27日に日本IBM本社で行われ、上田氏や他の受賞者が記念講演を行った。
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