倉谷滋氏を新グループディレクターに起用 |
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倉谷氏は2002年に形態進化研究チームのチームリーダーとしてCDBに着任し、形態進化の遺伝発生的背景をテーマに精力的な研究を行ってきた。これは、発生プログラムの変化が形態進化をもたらす仕組みを遺伝子レベルで探る進化発生学の新たな試みである。我々の顎はどのようにして得られたのか、カメはどのようにして甲羅を作り出したのか。そんなシンプルな疑問に対し、遺伝子発現の変化が大きな形態変化につながる可能性を示し、進化において何が起こったのかを明らかにしつつある。
これらの研究を進める一方で、今後は蛾の模様進化にも挑戦するという。「蛾の翅の模様はとても多彩で美しいだけでなく、チョウに見るよりもずっと器用で凝った進化を遂げています。前翅と後翅がどのようにして互いに異なった進化を遂げるのか、分子・細胞レベルでの発生機構だけでなく、集団や生態を視野に入れた研究をするつもりです」。研究室名はそのまま形態進化研究「グループ」に。今後はグループディレクターの一人としてセンターの運営にも関わる。
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