CDB がベトナムでアジア生殖バイオテクノロジー学会を共催 |
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アジア生殖バイオテクノロジー学会( ARB, Asian Reproductive Biology Society )の第 1 回会合が、理研CDB と Nong Lam University (ベトナム)の共催で、ベトナム、ホーチミンシティーで開かれた。 4月12日〜14日の会期中には、アジア中から同分野の研究者が集まり、それぞれの研究成果についての報告、生殖技術の応用についての議論などが行われた。なお、この会合は、 Nong Lam University の Tuyen Bui Cach 総長と、 CDBの若山照彦チームリーダー(ゲノム・リプログラミング研究チーム)が世話人を勤めた。
3日間の会合は7つのセッションに分けられ、哺乳類卵細胞の in vitro での培養や成熟、分化、また核移植技術とその応用などのトピックについて講演と議論が行われた。これらの研究分野はどれも、ゲノムリプログラミングのメカニズムといった基礎研究から、畜産技術の革新、臓器移植、不妊治療といった応用研究にまで、横断的な関わりをもっている。
生殖は発生生物学の最も根本的な問題の一つと言える。個体を形成する胚発生の全ての過程は受精に始まる。若山らは、高度に分化した卵細胞が、受精によって個体を形成する全ての細胞に分化する能力、つまり全能性を獲得するメカニズムの解明を試みている。
彼らは、このような卵細胞の脱分化とリプログラミングがどのようにして起きるのかを解明する目的で、あえて核移植クローニングという極めて人工的な方法を用いると言う。若山氏を含め多くの講演がゲノムリプログラミングのメカニズムについて言及するなど重要な分野の一つといえる。
第 2 回のARBミーティングは、 2005年10月にタイの Suranaree University of Technology, School of Bioltechnology で行われる。
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