進化再生研究グループが国際プラナリア会議を主催 |
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進化再生研究グループ(阿形清和グループディレクター)はユタ大学やイリノイ大学、シカゴ大学の研究者と共同でプラナリアゲノム解析プロジェクトを開始した。これに伴い第一回日米プラナリア会議(11月7〜14日、マウイ島)が三菱財団自然科学研究助成を受けて開催された。
この会議では各研究グループの長期的な研究割当を決めるとともに、プラナリアESTデータベースの構築が行われた(EST: Expressed Sequence Tags、mRNAから得られたcDNA断片--ESTはDNAのコード領域のマーカーとなるため新たな遺伝子の探索に用いられる)。このプロジェクトでは、Dugesia japonicaに由来するESTと、Schmidtea mediterraneaに由来するESTを遺伝子機能別に分類し、日米の研究グループで分担してデータベースの構築を行った。
プラナリアのゲノム解析は進化生物学や比較ゲノミクスに有用な情報を提供するとともに、プラナリアの高い再生能力を可能にしているメカニズムを解明する大きな手がかりになると考えられる。これにより再生における幹細胞の役割や、組織の可塑性などについての研究が進展し、将来の医療応用に重要な学術基盤を築くと期待される。
今回の日米プラナリア会議は、2004年内にSchmidtea mediterraneaのゲノム解読を目指す国際ゲノムプロジェクトSmedGPに先駆けて開催かれた。今回のESTデータベースを基にアメリカで行われるショットガン・シークエンスと、日本で行われる染色体マッピングによって、2004年の秋に開催予定の第二回日米プラナリア会議でプラナリアのゲノムの全貌が明らかにされる予定である。
第一回日米プラナリア会議のメンバー |
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