研究室

形態形成シグナル研究チーム

チームリーダー
林 茂生(Ph.D. )

細胞の集まりが動物の体を作り出すしくみを知る

発生における組織の形態形成のしくみをキイロショウジョウバエをモデル系として、以下の二つの領域で研究しています。1)上皮組織の形成メカニズム。管状上皮の呼吸器系である気管系の発生を研究しています。上皮の陥入運動と気管枝の遊走および管の形状決定において細胞骨格と細胞外マトリクスは果たす役割と、組織全体が協調するしくみについて分子遺伝学、ライブイメージング、および定量解析を駆使して追求しています。2)単一細胞の形態形成。細胞内の骨格、膜輸送系、シグナル伝達系が細胞種に特有なかたちを規定するしくみを機械感覚細胞、嗅覚受容細胞の形態形成をテーマにして研究します。

研究テーマ

1. 上皮形成における細胞ダイナミクス
2. 単一細胞における細胞内と細胞外のパターン形成

ニュース一覧
2016.12.8
1つのシグナルで異なる2つの細胞の運命を決める仕組み
2016.10.20
結晶のように緻密に配置されたアクチン繊維束を維持する仕組み
2016.4.21
ドーナツ型?!奇抜な細胞の形態変化を可能にする仕組み
2015.7.2
細胞伸長の司令塔分子を正しく配置するメカニズム
2015.6.25
アクチン繊維の自己組織化が管の形を整える
2015.1.8
管の形を外側から決める?
2014.5.2
細胞外マトリクスが気管の長さを決めるメカニズム
2013.5.9
ゴカイが持つ半無限の再生能力の仕組み
2013.2.1
逆行性小胞輸送が気管の長さを制御する
2013.1.25
細胞分裂が組織陥入の引き金をひく
2012.7.26
理研サイエンスセミナーを開催
2012.3.1
昆虫の脚の関節構造:多様性のひみつはNotchにあり
2011.5.9
ミトコンドリアが細胞の形をつくる
2011.2.16
小胞輸送の動的平衡が細胞伸長を促す
2010.6.15
ぴったりとはまり合って動く関節ができる仕組み
2010.3.23
2つの起源が出会い,翅が生まれた
2010.3.8
柔らかい上皮を維持するSrcの二面的な働き
2007.11.16
EGFRシグナルの波が上皮の陥入を促す
2006.8.17
IKKεがFアクチンの重合と細胞形態を調節する
2006.6.16
ショウジョウバエの眼形成に働くダブルネガティブモデル
2004.12.29
ユビキチン化によるNotchシグナルの抑制
2004.10.15
細胞の伸長方向を決定するメカニズムを解明

Q:研究の道を選んだきっかけは何ですか?

A:教えられる事だけには満足できなかったので、発見の道を選びました。

Q:研究の最大の魅力は何ですか?

A:自然のしくみを説明する「なるほど!」と思えるしくみを発見することができること。

Q:研究をする上での方針や哲学、座右の銘は何ですか?

A:Chance favors the prepared mind.

Q:研究以外の興味や趣味はありますか?

A:登山、サイクリング、写真。研究以外の世界を知ることが研究を客観視して深める秘訣だと思います。

研究室ホームページ

shayashi[at]cdb.riken.jp
[at]を@に変えてメールしてください

求人

発生中のショウジョウバエ胚。気管原基をマゼンタ、細胞の輪郭を緑で示す。
上皮の陥入の断面像。気管前駆細胞(緑)が表面(上)から内部(下)の落ち込んでいく様子。細胞の境界をマゼンダで示している。
野生型胚の気管.管腔は細胞外マトリクス(マゼンタ)で満たされ、アピカル細胞膜(シアン)に接している。基底膜(緑)が前後軸に沿って並行に配列し、細胞核(青)も均一に分布しているため、細胞の分布と高さはほぼ均一と考えられる.管腔の直径は均一である.
発生中の機械感覚毛。先端部(マゼンタ)にあるシグナルセンターの働きでアクチン繊維の束(緑)を発達させつつ約400ミクロンまで伸長する一個の細胞である。
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