研究室

高次構造形成研究チーム

チームリーダー
竹市 雅俊(Ph.D.)

動物細胞が集まって組織をつくる仕組みを明らかにする

複雑な多細胞組織の形成機構について、細胞の接着・運動・極性形成、神経組織形成などの問題に焦点を当て、メカニズムを研究しています。とくに、カドヘリン接着分子群、微小管制御因子CAMSAP(Nezha)の役割に注目しています。そして、これらの研究の成果が、がんの浸潤・転移等の医学的問題の解決に役立つことを期待しています。

研究テーマ

1. カドヘリン、プロトカドヘリン、および、カテニンによる細胞接着の制御機構
2. がん細胞における接着異常機構
3. 微小管制御因子CAMSAPによる上皮および神経組織の形態形成制御

ニュース一覧
2017年12月12日
細胞同士が接着できなくなった大腸がん細胞をもう一度接着させるには
2017年12月4日
接着だけじゃない 細胞の移動にも寄与するカテニン
2017年08月31日
PCDH19の変異がてんかんや知的障害をもたらす仕組み
2016.12.26
上皮細胞の側面部接着を制御するDAAM1
2016.1.19
上皮細胞の微小管を正しく配向させるメカニズム
2014.11.14
神経軸索が束になって集団で伸びる仕組み
2014.11.11
大きな図体を折り曲げる – 巨大カドヘリンの不思議な戦略
2013.10.1
微小管の新たな機能
2012.12.3
上皮細胞の骨組みを担う微小管を制御するしくみ
2012.11.12
角膜内皮における細胞接着分子カドへリンの機能
2012.9.19
竹市センター長がトムソン・ロイター引用栄誉賞を受賞
2012.5.28
神経板が湾曲するメカニズム
2011.10.12
力のかかり方で変化する細胞同士の接着方法
2011.7.10
紡錘体形成に新たなメカニズム
2011.6.22
上皮細胞の頂端収縮を調節するメカニズム
2009.7.21
Fatカドヘリンが細胞頭頂部の膜構造を調節する
2009.7.14
神経細胞もふさわしい相手を選別する
2008.12.9
細胞間接着装置の編成機構
2008.8.6
OL-プロトカドヘリンが細胞接着面で細胞移動を促進する
2008.4.25
神経管形成の舞台におけるShroomの新しい相方はROCK
2007.12.17
細胞の内と外をつなぐメカニズム
2007.8.30
神経回路形成にOLプロトカドヘリンが機能
2007.5.8
竹市雅俊センター長がNational Academy of Sciencesのメンバーに選出される
2007.4.6
カドヘリン8が冷覚の伝達に機能
2007.2.19
βカテニンに新たな機能
2006.12.25
カドヘリン流動と細胞移動
2006.10.31
カドヘリンが樹状突起の形態形成とシナプス形成に機能
2006.10.21
Tubaが細胞間結合を制御する
2006.7.29
シナプス形成におけるネクチンの働き
2006.5.12
αNカテニンが脳形成に果たす役割
2005.9.12
CDBセンター長がISDB次期会長に就任決定
2005.5.20
Wnt2bが網膜幹細胞を未分化に保つメカニズム
2005.1.13
竹市センター長、2005年日本国際賞を受賞
2004.12.14
CDBセンター長、日仏2つの賞
2004.9.13
IJDB誌の特別号に竹市雅俊センター長のインタビュー
2004.5.26
Fatカドヘリンは細胞骨格の形成を制御する
2004.5.12
CDBセンター長、アメリカ芸術科学アカデミー外国人名誉会員選出
2004.4.15
αNカテニンがシナプスの安定性を制御する
主要論文

Ito S, et.al. Induced cortical tension restores functional junctions in adhesion-defective carcinoma cells. Nature Communications 8, 1834 (2017) doi:10.1038/s41467-017-01945-y

Vassilev V, Platek A, et.al. Catenins Steer Cell Migration via Stabilization of Front-Rear Polarity. Dev Cell. 2017 Nov 20. doi: 10.1016/j.devcel.2017.10.014.

S Hayashi, et.al. Loss of X-linked Protocadherin-19 differentially affects the behavior of heterozygous female and hemizygous male mice. Scientific Reports. 2017 July 19. doi: 10.1038/s41598-017-06374-x

Nishimura T, et al. DAAM1 stabilizes epithelial junctions by restraining WAVE complex-dependent lateral membrane motility J Cell Biol 215, 559–573 (2016). doi:10.1083/jcb.201603107

Toya M, et al. CAMSAP3 orients the apical-to-basal polarity of microtubule arrays in epithelial cells. Proc Natl Acad Sci U S A 113, 332–337 (2016). doi:10.1073/pnas.1520638113

Tsukasaki Y, et al. Giant cadherins Fat and Dachsous self-bend to organize properly spaced intercellular junctions. Proc Natl Acad Sci U S A 111, 1601–1606 (2014). doi: 10.1073/pnas.1418990111

Hayashi S, et al. Protocadherin-17 mediates collective axon extension by recruiting actin regulator complexes to interaxonal contacts. Dev Cell 30, 673–687 (2014). doi:10.1016/j.devcel.2014.07.015

Takeichi M. Dynamic contacts: rearranging adherens junctions to drive epithelial remodelling. Nat Rev Mol Cell Biol 15, 397–410 (2014). doi:10.1038/nrm38025

Tanaka N, et al. Nezha/CAMSAP3 and CAMSAP2 cooperate in epithelial-specific organization of noncentrosomal microtubules. Proc Natl Acad Sci U S A 109, 20029–20034 (2012). doi: 10.1073/pnas.1218017109

Q:研究の道を選んだきっかけは何ですか?

A:自然現象が好きだから。

Q:研究を通して究極的に何を知りたいですか?

A:生命の不思議。

Q:研究の最大の魅力は何ですか?

A:新しい発見に興奮すること。

Q:研究をする上での方針や哲学、座右の銘は何ですか?

A:自分の目で確かめること。

Q:研究者を目指す人たちに一言。

A:好奇心が旺盛でないと研究者は務まりません。

Q:研究以外の興味や趣味はありますか?

A:生き物に関係する様々なこと。

研究室ホームページ

takeichi[at]cdb.riken.jp
[at]を@に変えてメールしてください

求人

A431D細胞におけるアクチン(緑)とEカドヘリン(赤)の2重染色像。この細胞では、Eカドヘリンがアクチン繊維に添って動き、接着構造は複雑である。
プロトカドヘリン17(緑)、WAVE複合体タンパク質Abi-1(マゼンタ)、DNA(青)の三重染色(U251細胞)。プロトカドヘリン17は細胞同士の接触面に濃縮し、WAVE複合体と結合して、その部分の運動活性を高め、細胞の集団移動に貢献する。
小腸上皮細胞における微小管(緑)とCAMSAP3(赤)の分布(左)。CAMSAP3が細胞の頂端部に分布し微小管負端と結合することにより、細胞の縦軸に添って微小管を配向させる。CAMSAP3をノックアウトすると上皮特有の微小管配列が崩壊する(右)。
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