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研究テーマ |
研究テーマ詳細 |
所属長/ラボ名 |
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マウス嗅覚神経回路の蛍光イメージング |
マウスなどの哺乳類は約1,000種類もの嗅覚受容体を使って匂い分子を検出していますが、その情報はまず脳の嗅球へと集約され、情報処理が行われます。我々は、この嗅球をモデルとして、複雑でありながらも秩序だった神経回路がつくられるメカニズムを研究しています。本コースでは、2光子励起顕微鏡を用いて生きたマウスの嗅球のカルシウムイメージングを行い、匂い情報処理のようすを可視化します。更に、脳サンプルを透明化処理して3次元画像を取得することにより、神経回路の全体像を立体再構成します。機能的な神経回路がどのような発生メカニズムによって成り立っているのか理解する事を目指します。 |
今井 猛
感覚神経回路形成研究チーム |
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マウス卵母細胞における染色体分配のライブ イメージング |
卵母細胞は減数分裂を起こすことによって卵子を生み出します。この分裂の際、卵母細胞は正常な数の染色体を卵母細胞に分配しなくてはなりません。もし卵子が異常な数の染色体を持ってしまうと、受精したとしても正常に発生できないからです。本研究テーマでは、生きた卵母細胞の中の染色体の動きを顕微鏡でライブイメージングにより追跡し、得られた動画から染色体の動態パラメータを定量解析します。どのように染色体が分配されるのか、直感的かつ定量的に理解することを目指します。 |
北島 智也
染色体分配研究チーム |
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ショウジョウバエ組織形成における細胞移動と 細胞死の可視化と解析 |
個体発生でみられる多彩な細胞のふるまいは、発生の時間軸のなかで互いに相互作用して組織を作り上げます。そのシステムの解明には生体内での時空間的な情報を考慮した実験的アプローチ、つまりライブイメージングの手法が有効です。本コースでは、発生生物学の研究に有用でかつ遺伝学的知見が豊富なショウジョウバエを使って、組織形成を支える増殖・移動・細胞死を、生きた蛹の中で可視化します。撮ったデータを解析して、組織形成が発生の時間軸に沿ってどのように制御されているのか考察します。 |
倉永 英里奈
組織形成ダイナミクス研究チーム |
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Studying the initial formation of blood and vasculature using chicken embryology
(ニワトリ発生学から見る血球の発生と血管系 の形成) |
血管系は、酸素や栄養物、老廃物等の運搬、体内の水分や体温の調節、感染防御などの役割を持ち、多くの生命現象に大変重要な器官です。本実習では、ニワトリ初期胚を使って、複雑な血管網がどのように形成されるかについて理解する事を目的とします。実習では、ニワトリ胚の心臓に蛍光色素を注入後、胚体外組織での血管構築過程をライブイメージングします。
また、様々な発生段階の胚を用いて、中胚葉由来の血島と呼ばれる細胞群が血球、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞へ分化する過程に特異的な遺伝子の発現を調べ、血管形成の分子機構を考察します。 なお研究指導は、英語で行う予定ですが、理解が難しい場合は、日本語でもサポートします。研究現場での英語の必要性を体感する機会にしてください。
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Guojun Sheng
初期発生研究チーム
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細胞・発生生物学への数理科学によるアプローチ |
細胞や組織のスケールの生物現象を、数理科学を用いて定量的に理解する試みが大きな関心を集めています。私たちは数理モデルやシミュレーション、理論的な解析を用いて細胞や組織の情報処理や運動の研究を行っています。今回のコースでは、現象を抽象化して数理モデルを作り、コンピューターシミュレーションによって数理モデルの振る舞いを調べます。さらに、それを現象と比較するためのいくつかの方法を学びます。細胞運動、パタン形成、上皮の力学などの題材の中から参加者と相談してテーマを決めます。 |
柴田 達夫
フィジカルバイオロジー研究ユニット |
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ショウジョウバエを用いた個体成長の解析 |
我々ヒトの体の大きさが個人個人で異なるように、昆虫をはじめとする様々な生き物の体の大きさは生育環境や遺伝的背景によって大きく変わります。本研究テーマでは、キイロショウジョウバエを用いて、成長を調節する内分泌ホルモンの機能解析を行います。共焦点顕微鏡、定量RT-PCR法を用いた発現解析、変異体の表現型解析などを通して、生物の体の成長がどのように調節されて最終的な体の大きさが決定されるのか、またその進化的に保存されたメカニズムを理解することを目的とします。 |
西村 隆史
成長シグナル研究チーム |
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3次元イメージングによる大脳皮質ニューロンの形態形成解析 |
哺乳類特有の脳構造である大脳新皮質は、中枢神経系の中でも多様なニューロンから構成されるが、 これらのニューロンは視覚や体性感覚などの情報処理特性を司る領野ごとに6層の細胞構造を修飾した高次の細胞構築をなしている。本コースでは、大脳新皮質を構成する層特異的なニューロンをin vivoで標識する様々な技術について紹介し、これらの手法を用いた大脳新皮質の3次元イメージングにより、層および領野ごとのニューロンの樹状突起形態の特性を抽出し、その意義について考察する。 |
花嶋 かりな
大脳皮質発生研究チーム |
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動く細胞を個体の中で見る |
レーウェンフックによる顕微鏡の発明に始まる「見る」技術の進展は我々には新たな生命像の発見と新鮮な研究上のインスピレー ションをもたらしてきた。この実習ではショウジョウバエの標本を様々な手法で観察する事で、観察法の歴史を追体験する。さらに蛍光標識された生体組織のダ イナミックな運動をタイムラプス観察し、画像を解析し、様々な突然変異体を比較する事で組織形成のしくみを発見する手順を体験する。
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林 茂生
形態形成シグナル研究グループ |
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毛の幹細胞とそのニッチの可視化 |
毛包幹細胞は、毛の発生・維持・再生を司る多能性幹細胞で、この細胞の機能が傷害されると、脱毛、多毛、白髪などの毛髪トラブルが起こります。幹細胞の機能は幹細胞特有の周囲環境(幹細胞ニッチ)との相互作用によって制御されていますが、その詳細は未だ殆どが謎のままです。本研究テーマでは、皮下に潜む毛包幹細胞とそのニッチがどのように特殊化されているのかを、最新の顕微鏡イメージング技術で3次元的、4次元的に観察します。その後、ヌードマウス等の無毛マウスでは幹細胞やニッチがどう変化しているのかを明らかにします。 |
藤原 裕展
細胞外環境研究チーム |
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脳の幹細胞のライブ観察 |
脳は高度に組織化された器官ですが、その発生は幹細胞の集団からなる一枚のシートを丸めたチューブから出発します。そして、神経幹細胞がダイナミックな振る舞いをしながら、分裂によってニューロンを次々に作り出してゆきます。このコースでは、GFPで標識したマウスの胎児の脳のスライスを顕微鏡下で直接観察することにより、神経幹細胞が神経を生み出す様子を理解します。 |
松崎 文雄
非対称細胞分裂研究グループ |
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上皮細胞の3次元形態形成における協働性 |
発生中には、秩序正しくデザインされた通りの形が形成されていく。そこでは、細胞間に働く張力とその感知、さらに張力応じた各細胞の対応が重要だろうと私たちは考え、細胞間の張力感知の分子機構としてαカテニンの役割を明らかにしつつある。今回は、αカテニンの張力感受性変異体を発現する細胞に立体的な細胞塊を作らせ、実験的な操作を加えながら、張力感受性の形態形成への役割をタイムラプス記録などによって明確にすることを試みる。
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米村 重信
電子顕微鏡解析室 |