研究テーマ |
研究テーマ詳細 |
所属長・ラボ名 |
マウス嗅覚神経回路の蛍光イメージング |
感覚神経回路形成研究チームでは、マウス嗅球をモデルとして、感覚入力が処理される神経回路の発生メカニズムを研究しています。本コースではマウス嗅球のin vivoカルシウムイメージングを行った後、匂い刺激に応答する糸球体に着目して高次神経回路の標識を行います。その後、嗅球を透明化処理して共焦点顕微鏡や2光子顕微鏡で深部イメージングを行い、さらに画像解析ソフトを用いて神経回路の立体再構成および定量的な解析を行います。 |
今井 猛
感覚神経回路形成研究チーム |
オンラインゲノムブラウザを用いた発生制御遺伝子の分子進化解析の基礎 |
脊椎動物が持つ発生関連遺伝子の多くは、進化の過程で遺伝子重複によって多様化し、いわゆる遺伝子ファミリーを形成している。通常、ゲノム上の遺伝子配置は遺伝子重複の歴史を反映するが、まれに違ったパターンを示すケースが見受けられる。本プロジェクトでは、予想外の分子進化パターンを示すいくつかの発生関連遺伝子に注目し、オンラインのゲノムブラウザ(ならびに余力があれば配列解析ツール)を駆使することによって、進化の過程でいつ何が起きたのか、そして複雑な遺伝子発現制御機構の成立における意義を探る。プログラミングスキルなどの予備知識は必要としない。 |
工樂 樹洋
ゲノム資源解析ユニット |
ショウジョウバエ胚発生のライブ観察と画像解析 |
レーウェンフックによる顕微鏡の発明に始まる「見る」技術の進展は我々には新たな生命像の発見と新鮮な研究上のインスピレーションをもたらしてきた。この実習ではショウジョウバエの標本を様々な手法で観察する事で、観察法の歴史を追体験する。さらに蛍光標識された生体組織のダイナミックな運動をタイムラプス観察し、画像を解析し、様々な突然変異体を比較する事で組織形成のしくみを発見する手法を実践する。 |
林 茂生
形態形成シグナル研究グループ |
遺伝子を設計し合成する(Gene Synthesis) |
作製したいタンパク質のアミノ酸配列を元に遺伝子情報を設計し、この遺伝子を組み上げるための短いDNA断片に分割する。この設計されたDNA断片を、DNA自動合成機を用いて化学的に合成し、DNAポリメラーゼを用いて各DNA断片を繋いで遺伝子を作製する。さらに、作製した遺伝子を細胞などに導入し、タンパク質を合成させる。このように、自ら設計した「情報」を化学、分子生物学などの技術を駆使して「機能」化する。 |
上田 泰己
システムバイオロジー研究プロジェクト
|
Live imaging of chicken early vascular development(ニワトリ胚における血管形成過程のライブイメージング) |
血管系は、酸素や栄養物、または、老廃物の運搬、体内の水分や体温の調節、さらに感染防御などの役割を持ち、多くの生命現象に大変重要な器官です。私達は、この複雑な血管網がどのように形成されているかについてニワトリ初期胚を使って調べています。ニワトリ初期胚では、その胚体外の組織に中胚葉由来の血島と呼ばれる細胞群が形成され、そこから血管が構築されます。今回は、2-3日間発生させたニワトリ胚の心臓に蛍光色素を注入後、胚体外組織での血管組織をライブイメージングします。また、血管形成に関わる分子を阻害する薬剤、細胞形態に影響を及ぼす薬剤等を心臓から注入した場合、それらが血管形成やその後の再構築過程にどのように影響するかについて同様に観察します。さらに、これらの実験胚を固定し、血管や血球のマーカーとなる遺伝子の発現を調べます。
なお研究指導は、基本的に日本語で行いますので特段の英語能力は必要ありません。所属長のGuojun Sheng チームリーダーとのコミュニケーションを通じて英語能力を高めましょう。 |
Guojun Sheng
初期発生研究チーム
|
マウス卵母細胞における染色体動態のライブイメージングと定量解析 |
卵母細胞は減数分裂を起こすことによって卵子を生み出します。この分裂の際、卵母細胞は正常な数の染色体を卵母細胞に分配しなくてはなりません。もし卵子が異常な数の染色体を持ってしまうと、受精したとしても正常に発生できないからです。本研究テーマでは、生きた卵母細胞の中の染色体の動きを顕微鏡でライブイメージングにより追跡し、得られた動画から染色体の動態パラメータを定量解析します。どのように染色体が分配されるのか、直感的かつ定量的に理解することを目指します。 |
北島 智也
染色体分配研究チーム
|
3次元培養した上皮細胞における張力発生と形態形成 |
細胞が立体的な集合形態を取る時に、各々の細胞がどの程度縮まろうとしているかという、収縮の強さは、全体や局所の形を決めるのに重要だと考えられています。しかし、集団内の細胞間に収縮力の差を実験的に作り出すことは困難でした。このコースでは、収縮の阻害剤に対して抵抗性のある細胞と抵抗性のない細胞とを混合して培養し、収縮の阻害剤を与えることで、細胞間の収縮力の差が細胞集団の形にどのように反映されるのかを見つけることを目的とします。 |
米村 重信
電子顕微鏡解析室
|
脳の幹細胞のライブ観察 |
脳は高度に組織化された器官ですが、その発生は幹細胞の集団からなる一枚のシートを丸めたチューブから出発します。そして、神経幹細胞がダイナミックな振る舞いをしながら、分裂によってニューロンを次々に作り出してゆきます。このコースでは、GFPで標識したマウスの胎児の脳のスライスを顕微鏡下で直接観察することにより、神経幹細胞が神経を生み出す様子を理解します。 |
松崎 文雄
非対称細胞分裂研究グループ
|