過去のイベントについてご案内いたします。
Date and Time | 2011-04-28 10:00 - 17:30 |
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Venue | Seminar Room A7F |
Speaker | 本多 久夫 兵庫大学 |
Title | 「フィジカルバイオロジー研究ユニット主催インフォーマルセミナー」 形の生物学 |
Poster | click here to download (PDF) |
Host | Shibata Tatsuo |
生物が呈するさまざまな形について、(1) 形の何を本質と考えれば多様な形が単純に把握できるかの問題と、(2)その形を造るメカニズムは何かについて述べる。 形の本質は多細胞動物についていえば、個体の内と外を仕切る<袋構造>である。この袋は動物個体をひとまとめにしている。個体の発生過程は単純な球形の袋(胞胚など)から、凹みができたりトンネルが開通したりの複雑な袋への変化であるといえる。また個体の集まりである生物界を、変異したゲノムが代々継続するかどうか試される場であるとする進化論的見方からすれば、袋は試されるゲノム一つの責任範囲でもある。ゲノムが混ざってしまえば、個体の継続に寄与したゲノムがどれか特定できなくなってしまう。 袋形成のメカニズムは、上皮細胞とよばれる細胞があって、上皮細胞はどこにあっても<袋構造をつくらずにはいられない>という事実が基盤になっている。この能力を実現するための詳しい分子生物学的研究がまたれる。 袋形成に限ったことでないが、多細胞生物の形態形成は細胞の変形、移動、分裂、消滅などのふるまいの結果である。物理学の分野では、物質は原子や分子からできているから、原子などのふるまいを記述する運動方程式が大きな活躍をして物性研究が進んだ。生物学にも<細胞のふるまいを記述する運動方程式>があれば、形態形成の研究は大きく進むに違いない。このような研究アプローチを紹介し、袋形成の数理的扱いについて述べる。 ***** プログラム 10:00- 12:00 細胞の集まりが 袋をつくる(前半) 13:00- 15:00 細胞の集まりが 袋をつくる(後半) 15:00- 15:30 休憩 15:30- 17:30 袋がつくる形のよしあし |