過去のイベントについてご案内いたします。
Category | その他 |
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Date and Time | 2012-04-05 17:00 - 18:00 |
Venue | C4F S401 |
Speaker | 徳永智之 |
Affiliation | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
Title | [ボディプラン研究グループ主催セミナー] 家畜における生殖細胞・幹細胞研究の状況 |
Poster | click here to download(PDF) |
Host | Shinichi Aizawa |
Summary | 優良な形質を持った家畜を短期間に育種・繁殖するためには、ゲノム情報を有効に活用した新たな改良・増殖技術を開発する必要がある。そこで、我々は生殖細胞と多能性幹細胞をキーワードに新しい繁殖技術の開発に取り組んでいる。その一つとして、家畜の未成熟生殖細胞を有効利用するための研究を行っており、子ブタの精巣に含まれる精祖細胞をヌードマウスの皮下に異種間移植して、正常な精子を形成させる方法を開発し、得られた精子に由来する子ブタの生産に成功している。また、本手法をウシに応用する研究を進めているところである。一方、家畜の胚や生殖細胞を起源とする多能性幹細胞の樹立・培養とその利用に関する研究を進めている。ヒトではiPS 細胞等の多能性幹細胞の研究が急速に進んでいるが、家畜での研究は立ち遅れているのが現状である。我々はこれまでに、ウサギ、ウシ及びブタ等のES 細胞株樹立を試みてきたが、多くの場合“マウス(naive)型”ではなく“ヒト(primed)型”と見られる形質を示し、増殖速度は遅く、安定した細胞株を得ることは困難であった。最近、各種の低分子阻害剤を培地に添加することにより、キメラ形成能を持つラットES/iPS 細胞の樹立が報告され、多様な動物種の多能性幹細胞の樹立に期待が寄せられているところである。我々は、これらの知見を活用することにより、ウシを中心に、再度、多能性幹細胞の樹立を目的とした一連の研究を行っており、これまでとは異なる形質の細胞株が得られてきている。未だ途上ではあるが、その概要を紹介したい。 |