過去のイベントについてご案内いたします。
Category | その他 |
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Date and Time | 2012-01-26 16:00 - 17:00 |
Venue | Seminar Room D2F |
Speaker | 桑山 秀一 |
Affiliation | 筑波大学生命環境系 生物科学専攻 遺伝情報学研究室 |
Title | [フィジカルバイオロジー研究ユニット主催セミナー]細胞性粘菌の寿命を調節する遺伝子 |
Poster | click here to download(PDF) |
Host | Tatsuo Shibata |
概要 | 真核単細胞アメーバである細胞性粘菌 Dictyostelium discoideumは、バクテリアを餌に増殖し、餌の枯渇によって自発的に集合し胞子と柄からなる子実体と呼ばれる多細胞体を形成する。細胞性粘菌は、この特徴的な生活環から微生物でありながら発生の重要なモデル生物として知られている。最近、演者は細胞性粘菌のRabGAPファミリーに属する新規遺伝子の破壊株では、生活環が異常に早く進行することを発見した。RabGAPは低分子量Gタンパク質Rabの不活性化因子であり、普遍的に 存在するものである。さらに、過剰発現株では逆に生活環の進行が大幅に遅くなることから、この新規RabGAPは細胞性粘菌の生活環周期調節因子として重要な役割をすることが示唆された。次に、rabGAP遺伝子の細胞内における分子制御機構の解析を行ったところ興味深いことに、RabGAPは3量体型Gタンパク質のαサブユニット(Gα2)と直接相互作用することが in vivoのタンパク質相互作用検出系(FRET)により明らかになった。これらGα2、RabGAP、Rab遺伝子はその相同遺伝子がヒトから線虫に至るまで普遍的に存在し、さらにヒトrabGAP相同遺伝子を発現させた破壊株では生活環周期の促進が相補されたことから、このGα2-RabGAP-Rab情報伝達系はヒトをはじめ多くの多細胞生物において普遍的に機能している可能性が示唆された。本セミナーでは、これらの知見の最新の結果をお話させていただきます。 |