過去のイベントについてご案内いたします。
Category | その他 |
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Date and Time | 2008-11-12 17:00 - 18:00 |
Venue | Seminar Room A7F |
Speaker | 田尾 嘉誉 |
Affiliation | 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 形態形成研究部門 |
Title | [ボディプラン研究グループ主催セミナー] マウス初期発生におけるPCP制御因子Prickle1遺伝子の機能解析 |
Poster | click here to download(PDF) |
Host | Mariko Hirano |
Summary | 「細胞極性」は細胞の特徴を理解する上で重要な性質の一つであり、その結果生じる細胞の不均等分裂,細胞内物質の特定部位への輸送・局在化などによって,細胞分化,細胞運動,ひいては形態形成を制御する。細胞極性のメカニズムを語る上で普遍的な分子機構が存在し注目を集めているが、平面内細胞極性(Planar Cell Polarity, PCP)制御因子群もその一つである。我々はその制御因子の一つであるPrickle1遺伝子に着目し、この遺伝子破壊マウスを作製した。Prickle1ホモ欠損マウスは胎生6.5日前後で中胚葉誘導が生じず胚性致死となる。胚発生を遡りその表現型を詳細に解析したところ,着床後の胚盤葉上層(epiblast)に顕著な形態異常ならびに異常な紡錘体の配向を示した。また、頂底(Apico-basal, AB)極性マーカーの局在化の異常が見られた。以上のことから、マウス初期発生においてPrickle1遺伝子はepiblastのAB極性の確立に必要であることが明らかになった。さらに、別のPCP制御因子であるVangl2(loop tail)変異マウスとのダブルヘテロ胚においてもepiblastのAB極性異常を示した。これらのことは、マウス初期発生においてPCP制御因子群の新たな役割について示唆するものでありあわせて報告したい。 |